朝の通勤路。とあるマンションの入口に小さな花壇があって、そこにはチューリップが咲いていました。自分の表情が緩むのが分かります。そこから50mほど歩いたところにある一軒家の庭には、たくさんの花が植えてあります。休みの日にその家の前を通りかかると、年配の女性が熱心に花の手入れをしている姿を見かけます。「いつも素敵なお花を見せてくださってありがとうございます。おかげで心が洗われます。」とお声掛けしたいところですが、不審者だと思われてもアレだなと思い、その気持ちは心の中に留めています。
僕が花に対して気持ちが向くようになったのは、おそらくは30代前半の頃だったと思います。あの頃は最寄駅に花屋さんがあって、そこにはワンコインで購入できる小さなブーケが置いてありました。それを仕事帰りに購入し、自宅のダイニングテーブルの上に飾るのです。心が安らぐんですよね。
そして花と言えばあの話を思い出します。かつて共に働いていた女性の話です。その女性が転職し、その会社で働き始めてから心に病を抱え、自宅療養をするようになりました。時間をかけて少しづつ回復するとともに外にも出るようになったそうですが、やはり外に出ると不安が押し寄せるそうで。そんなとき、花屋さんの前に立つと安心したそうです。花屋さんの前でいくらかの時間を過ごし、心が回復してから次の目的地へ行くようにしていたそうです。その後、今度は果物に触れていると落ち着くことも発見したとか。それからは常にカバンの中にオレンジを入れておくようにしたと言っていました。気持ちがザワザワしはじめたらカバンを開けてオレンジを触ることで気持ちを落ち着かせていたそうです。花とオレンジに支えられたと。なんか、分かる気がします。